本日もトヨタの高熱効率・低燃費エンジン開発についてです。
低燃費化を図る方法として損失の低減があります。
トヨタの発表では、今回開発しているエンジンでも各種損失を低減しているようです。
その一つがポンプ損失(ポンピングロス)の低減です。
ポンプ損失にもいろいろありますが、代表的なものがスロットルバルブ、吸気バルブ、排気バルブなどの狭いところを通る際に起きる損失があります。
特にスロットルバルブを通る際は、出力が高い時はバルブが大きく開いているので、損失は小さいのですが、部分負荷の場合は、スロットルバルブが少ししか開いていないため、損失が大きくなります。
この部分負荷の時の損失低減方法としてEGRがあります。
EGRとはExhaust Gas Recirculationの略で排気再循環という意味です。
つまり、排ガスの一部を吸気ガスに混合するということです。
EGRは排ガス対策にも利用されますが、ポンプ損失を低減する手法としても利用されます。
理論燃焼した排ガス中には酸素は残っていません。
残っていても酸素は僅かです。
この排気ガスを吸気ガスに混合すると酸素濃度の低い混合気になります。
EGRしない吸気混合気を同量の酸素を供給するためにはスロットルバルブを開けて大量の吸気ガスを供給する必要があります。
EGRを利用すると、この様に同じ出力を得る際にスロットルバルブを開くため、ポンプ損失を低減することが出来ます。
その他の損失低減策には、ピストンスカートの表面改質などがあります。
ピストンは往復運動をしていますが、厳密に言うと往復運動から軸がずれています。
これは、回転運動を往復運動に変換するために起こるものです。
つまり、ピストンは往復運動時に傾いてピストンスカートがシリンダーに当たることが有ります。
この時の摩擦抵抗を下げるために表面処理を行い、表面改質を行います。
こうしてみると、効果の大きな対策に加え、小さな対策を積み上げて、高熱効率・低燃費エンジンを開発していることがわかります。
今回トヨタが発表した1.3Lエンジンは熱効率38%もあるそうです。
この様な小排気量でのエンジンで、こんなに熱効率が高いのは驚きです。
続きは次回!
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