皆さんはナトリウム封入バルブを御存知でしょうか?
昨日のチタンバルブつながりです。
高回転エンジンに必要なエンジンバルブの特性として、耐熱性と軽量化を上げました。
ナトリウム封入バルブは、この要求によって生まれたバルブです。
ナトリウム封入バルブはバルブの棒の部分(ステム部)を中空に加工し、この中空部分にナトリウムを封入したバルブのことです。
ステム部を中空にすることにより軽量化が可能となります。
しかし、中空のままでは熱が逃げにくいのでナトリウムを封入します。
ナトリウムは酸素に触れると簡単に発火するので確実に封入することが重要です。
またナトリウムの融点は約98℃なので、エンジンが作動すると中空部分で液体になります。
液体となったナトリウムはステム内部を移動し、傘部からステム部に熱を運んでくれます。
このためナトリウム封入バルブは冷却性能に優れたバルブとなります。
ナトリウム封入バルブはコストが高くなるため、比較的高級車に採用されています。
また、最近ではステム部だけでなく、傘部まで中空にする技術が出てきており、冷却性能がさらに向上しているようです。
新素材の採用の多くはF1などのレーシングカーからです。
コストが高くても、性能重視のレースで新素材が採用され、企業努力により市販車レベルまでコスト削減を行って、実用化という流れです。
レースは最新技術を試す場として重要な役割を果たしています。
今後どのような新素材、新技術がでてくるのか楽しみです。
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