本日は、昨日に引き続きハイブリッド車のエコ運転について考えてみたいと思います。昨日述べたように、エコ運転を考える上では、エンジンの負荷変動を抑制することと、制動時のエネルギー回収(回生エネルギー)が重要です。
ここで述べる制動時のエネルギー回収とは、制動時に運動エネルギーを電気エネルギーに変換して蓄積することを言います。
通常ハイブリッド車には機械式ブレーキと回生式ブレーキが備わっています。機械式ブレーキは通常のブレーキディスクをブレーキパッドで挟み込んで制動するブレーキです。
回生式ブレーキとは、車が慣性で動いているとき、車軸の回転でモーターを回転させて発電し、その電気エネルギーを蓄えつつ、モーターを回すときの負荷で制動する方法です。
THSⅡでは、この機械式ブレーキと回生式ブレーキを自動的に制御して、エネルギーを回収しながら、車を止めています。
以前問題になったのは、この機械式ブレーキと回生式ブレーキの制御バランスの問題です。以前は、出来るだけ回生ブレーキでエネルギー回収を図った上で、車を止めるようなプログラムだったため、車が止まりにくいと感じた人がいたようです。
プログラムの変更でエネルギーの回収率は下がるものの、従来のフィーリングで止まれるように設定することで対策されたようです。
さて、通常の車はエンジンで生成したエネルギーの約25%を制動時に捨てていると考えられています。このため、制動時のエネルギー回収を効率的に行うことで、燃費の向上が期待されます。
単純に考えれば、同じ車軸の回転数であれば、出来るだけモーターを回転することでエネルギーの回収はできます。
プリウスのBレンジは、この考え方でエネルギーの回収効率を高めます。なお、未確認情報ですが、プリウスの場合、Bレンジでエネルギー回収するよりも、軽くブレーキを踏み続けた方がエネルギー回収率が高いとの話を聞いたことがあります。
可能性としては、Bレンジでエネルギー回収するときよりも、ブレーキを軽く踏んだ時の方がエネルギー回収率が高くなるように設定されているのかもしれません。真偽の程御存じの方がいらっしゃったら教えてください。
ここで気を付けなければならないのは、上記のように、制動時にモーターで発電しエネルギーを回収できるのですが、モーターの発電効率はかなり低いということです。恐らくモーターの発電効率は数%程度だと思います。さらに、ガソリンエンジンの熱効率も十数%程度だと思います。
つまり、ガソリンを燃焼して得られたエネルギーで発電し、モーターで運動エネルギーに変換したエネルギーを再度電気エネルギーに変換して回収しても、元々のエネルギーから考えると、ほんのわずかしか回収できないということです。
エコ運転の根本は如何に少ないガソリンで長い距離を走行出来るかだということです。回収エネルギーは副産物と考え、出来るだけ回収した方が良いです。エコ運転を心がけるなら、ガソリン消費量をいかに減らすかを主に、出来ることなら制動時のエネルギーも回収しようとの心構えが良いと思います。
皆さんはどのようなことを心がけてエコ運転に取り組まれていますか?
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