プリウスが発売されてから、燃費の良いクルマといえばハイブリッド車が思い浮かびます。
しかし、ハイブリッド車が登場する前は、燃費の良いクルマといえば、ディーゼル車か、軽自動車でした。
その軽自動車の燃費向上が、最近著しいと思います。
ハイブリッド車に低燃費車のお株を奪われていた軽自動車ですが、最近では30km/Lを超えるものまで現れてきました。
なぜ、ここまで燃費改善ができたのか、勝手に想像してみました。
なお、個人的私見ですので、根拠はありません。
悪しからず御了承下さい。
まず、燃費向上の手法を考えてみます。
・アイドリングストップ
・軽量化
・空気抵抗の低減
・エンジン効率の向上
・エネルギーの回収
・摩擦抵抗の低減
ざっと考えて、こんな感じでしょうか?
それぞれについて考えてみます。
・アイドリングストップ
私は、以前はアイドリングストップは燃費にそれ程良いと考えていませんでした。
なぜなら、エンジンは始動時に多量の燃料を噴射しないと、点火しないと考えていたからです。
しかし、よくよく考えると、ある程度エンジンが暖まっていれば、再始動するときにはそれほど多くの燃料は不要だろうと考えるようになりました。
実際、エコカーと呼ばれる車はアイドリングストップを行い、燃費を向上させているのでアイドリングストップは有効なのだと考えるようになりました。
アイドリングストップでの燃費向上は街中を走る状況で最も有効なのではないかと思います。
・軽量化
エネルギー的に考えて、軽量化は理に適っていると思います。
しかし、軽自動車という枠の中で考えると、コストの問題があり、大幅ン軽量化は難しいのではないかと思います。
技術の進化により、軽量材料のコストが下がってきたことによる恩恵でしょうか?
軽量材料としては、アルミニウム合金やマグネシウム合金、チタン合金などが思い浮かびますが、意外に有効なのが、高張力鋼です。
高張力鋼は比強度が高いので、部品を薄く、細くできるので軽量化が可能です。
また、コストが許せば、CFRPやカーボンコンポジットが有望だと思います。
・空気抵抗の低減
現在の燃費測定方法JC08モードでは、最高時速は80km/hとなっています。
この速度域になると空気抵抗も無視できなくなります。
最近の低燃費軽自動車の中には車高の低いものもあります。
これは、空気抵抗を低減し低燃費化を図ったものと思われます。
・エンジン効率の向上
以前は、低燃費化といえば、これだったと思います。
しかし、エンジン効率の向上は技術的にやりつくした感があります。
最近ではミラーサイクルやアトキンソンサイクルなど、低燃費のためのエンジンサイクルが採用されています。
また、カルノーサイクルから考えると熱効率を上げるための手っ取り早い方法は、燃焼温度を上げることです。
しかし、燃焼温度を上げるとNOxが発生したり、材料が持たなかったりといるデメリットがあります。
環境問題やコストの問題が壁になります。
・エネルギー回収
最近注目されているのがこのエネルギー回収ではないでしょうか?
減速時の運動エネルギーを電気エネルギーに変換して蓄え、この電気で加速時にモーターアシストすることで低燃費化を図っています。
余談ですが、F1で採用されたKERSも同様の原理で、減速時の運動エネルギーをセラミックコンデンサーに蓄え、加速時に一気に電気を放出することで加速します。
・摩擦抵抗の低減
車は可動部分が多く、摺動部品もたくさんあります。
これらの内低燃費化に有効なのが、タイヤだと思います。
最近エコタイヤと呼ばれるタイヤで低燃費化を謳っているものが数多くあります。
いわゆる転がり抵抗を低減することで低燃費化を図ります。
エコタイヤについては後日また述べたいと思います。
低燃費化については、以上の様な考え方ができると思います。
勿論、上で述べたこと以外にも低燃費化の技術はたくさんあります。
ここで、述べたいのは、低燃費化の技術はいろいろありますが、軽自動車の燃費向上には、常にコストとの戦いがあるということです。
100万円前後の軽自動車にいて、大幅なコストアップは致命的です。
コストをかけずに低燃費化を図ることは並大抵なことではないと思います。
今後、軽自動車の燃費がどこまで向上するのか興味深いところです。
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